社畜な鯱狗の妄想雑記

吾唯足知、即身仏。南無、阿弥陀佛。

円周:三位一体の四(=私+視+死+詩)

詩集『円周』全20選

ビザール、幻視痛、バザール ロケット・ボーイ 灼 summer fall (the catcher in the LIE) 炎昼の、深海 衆生でかると救世おかると観音 トカゲの小唄 絶対☆カワイイ♡シフォン主義( ̄^ ̄)ゞ p.o.n. 先頭車両の気狂い 即興2017.7.4 empress of emptiness 白蛇の…

奉仕歌

✳︎此の塵の爆ぜて不知火還りたし南無阿弥陀佛と繭ぞ唱えよ

平和歌

✳︎発酵の温もり冥き夕凪や詠み人知らずの喜捨ぞ揺蕩う

蟷螂歌

✳︎振り仰ぐ蟷螂の斧破戒せむ車輪の猛き神ぞ聳えて

《ジン横丁》にて

✳︎……ああ、また、アンタか。版画家のアンちゃん、よぉ。まぁ、またいつもみたいに、好きにスケッチしていきな。しかして、今日は、何やら、表通りが騒がしいが、はて。……ああ、そうかい。当代きっての、“詩人”殿が、《ビール通り》で、朗読会を開くと。ソイ…

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✳︎以上、余白。宇宙空間に投げ出されて、無重力の、真空で。僕の声は、誰にも届かないみたいだ。やっぱり、届かないみたいだ。空っぽの星が祝福しても、僕の声は。誰にも、届いちゃいない。今や、詩情さえもライフハックの時代。今や、霊感さえもライフハッ…

✳︎さようなら!さようなら!さようなら!私は光。貴女に絵本を与えた、盲の執事。私は影。青年の白杖を預かる、聾の侍女。私は波紋。常闇に手慰む、古ぼけたピアノ。私は粒子。少女の静謐な、水彩のスケッチ。私は希求。無銘の丘に建つ、素朴な御屋敷。私は…

愛を讃える歌

✳︎つまるところ。恋とは、相互不理解への不安、であり。愛とは、相互理解への安心、ですから。思えば。ずっと、ずうっと。陳腐ながら、有り体に。私という男子は恋多き、恋に恋する乙女であり。人間に。恋焦がれていたやうな、そんな気が、致します。現状は…

玉響歌

✳︎勾玉の揺れる漣軋ませて久遠と響く翡翠ひとひら

阿呆酔夢の即興、或いは鎮魂歌

✳︎--なぁ、アンタは。小腹が空いたから、食うタイプか。ムラリとしたから、犯すタイプか。アクビが出たから、眠るタイプか。惚れたから、愛すタイプか。憎んだから、殺すタイプか。死ぬまで批評家で、死ぬまで冷笑家で。健康で、文化的な人生だな、まった…

天獄の視える島

✳︎【愛を想う】俺は、壊れている。其れは、俺が特別だからではない。俺が、凡庸な人間、であるからだ。凡庸な人間は、壊れている。意識的にせよ、無意識的にせよ、愛、という権威に縋らなければ、生存さえままならぬほどに、凡庸な人間は、壊れていて、生命…

即興2017.7.4

✳︎あの飛翔体は、届くという人がいる。届かないという人がいる。そんなことは、どうだって良くて。今日を選んで、飛び込む人がいる。鮨詰めの電車のどこかで、二時間以上も、立ち尽くした、私がいる。舌打ちが聞こえる。舌打ちが聞こえる。車窓の向こうには…

塩湖にて

✳︎白く朽ち果てる、その湖畔で。真二つに折れた、無銘の剣に。暫し、ただ、祈りを捧ぐ。炎昼に、帽子を目深に正して。リュートの弦を調律したなら。どうか、惑わぬようにと。インディゴの獣の、霊験も灼かな、一振りのカイトで、宙を斬り伏す。褪せた雲海を…

その空蝉を、愛づ。

✳︎祭囃子が、遠く聞ゆ。白無垢の、煌くは刹那。翔び去るは、忘却の彼方。然れども、証は不滅の故に。滑かな、飴細工は金字塔なり。やがて明ければ、騒擾の時雨も。空蝉は凛として、静謐に睥睨せん。凡そ白痴の餓鬼ども、僕には構うな。この地の底で僕は、そ…

世界文壇構想の記

✳︎もはや、此の世に。模倣ではない、本当など、遺されているのだろうか。この、煉獄のやうな、恋さえも。過去、或いは、未来のいずれか。全ては、悉く、語り尽くされた。あとは、銘を、消費するばかり。銘を、ぐるぐる、ぐるぐる、と。--世界は、文壇だ。…

p.o.n.

✳︎機械的な機械。人間的な人間。ユートピアの待合室。ごった返している。処方箋を手にする。そのために、生きている。処方箋さえあれば、薬なんて要らない。もう永いこと、こうしている。清潔な白衣。消毒された恩寵。医師の不在。死ぬまでは、生きている。…

empress of emptiness

✳︎流砂の底に、沈みゆく免罪符を。僕らは、我先にと、奪い合う。腕を引き千切り、脚を引っこ抜き、頭蓋を叩き割り、臓腑を抉り合う。血と膿が、地と海を成す。偽書。原罪は、その聖餅を崇めて、食さぬこと。血と膿、濃密に立ち込める汗さえも、本当は。中空…

✳︎そして、燃え落ちるのは、月か?俺の瞼か?意図せぬ、愛おしさを噛み殺し、俺の毛皮が、逆立つのを感じる。愛撫とは。グラスの中で、稀釈された殴打。だから、優雅に飲み干して、鉤爪で握り潰す。銀食器の、鋭利な恍惚。その、千年の楼閣から睥睨すれば、…

しろがね号、西へ

✳︎嗚呼、銀の列車が、往くよ。往ってしまう。僕の肉体を、置き去りにして。無人の市街を、しろがね号が、往く。嗚呼、銀の列車が、征くよ。征ってしまう。僕の霊魂を、連れ去りにして。人波の荒野を、しろがね号が、征く。嗚呼、銀の列車が、逝くよ。逝って…

偽典・K

✳︎おとうとは、ひつじを、飼っていました。おとうとは、ひつじを、可愛がっていました。おとうとは、ひつじと、幸せでした。おとうとは、泣きながら。ひつじを、殴って、殴って、殴って。殴って、殺しました。パパは、たいそう、喜びました。そして、ぼくに…

summer fall (the catcher in the LIE)

✳︎鉄条網の向こうには、世界が広がっている。トグロを巻く、有刺鉄線の、向こうには、きっと。だから僕らは、こうして、秘密基地を築き上げて、来たるべき、戦いに備えた。真っ赤な複葉機に、マヌケな導火線を生やした、爆弾を、ぶら下げて。決行の日。監視…

汚れちまった悲しみだとかさ

✳︎今さら、唄うやうなモンじゃ、ねぇけれど。寂しいかと、問われたら、寂しいだろうね。どうせ君に、問われたりしないだろうから、寂しいだろうね。どうせ、君にはさ、ねぇ。ペロンペロンに酔っ払っても、愉快だとは、とてもね、言えねぇけれど。寂しいやう…

生まれ、落ちる、ための、遺書を

✳︎みんな、気付いてる。造花へ水を遣り続けていることに。みんな、気付いてる。あの葡萄が酸っぱいんじゃなくて。この世の葡萄は酸っぱいんだって。みんな、気付いてる。誰も気付かないフリをしてるだけ。みんな、気付いてる。僕らに。あと、どれだけ。バベ…

腑に、落ちる。

✳︎口蓋でグジャリと咀嚼して。咽頭よりゴクリと嚥下して。ナルホド。腑に、落ちたよ。耳腔を味蕾で愛撫する。鼻腔を獣臭で陵辱する。即物的であるが故に、紛れも無く科学的だ。安眠を喰い尽くす。惰眠を犯し尽くす。赫い竜の。腑に、落ちる。吐瀉物も同然の…

デュシャン・デ・デジャヴュ

✳︎借り物の顔で、借り物のスーツを纏い、借り物の言葉で、借り物の苦痛を嗜む。借り物の胃袋から、借り物の便器へと、借り物のクソを垂れる、借り物の講釈。借り物の悪意は、借り物の天使の笑み。借り物の善意は、借り物の悪魔の嘆き。借り物の銃に、借り物…

C22, C27, ©︎33

✳︎「オレはマトモだ!」と叫ぶ者は、(免責事項)おおよそ狂人であると、相場が決まっており。相場を読み誤らぬためには、まず談合が肝要。おおよそ世界は、寛容で埋め尽くされていて、埋め立てて干拓しようにも、賄賂が足らぬ。二十七の誕生日を迎えて、厭戦…

どうか、劫火のチェンバロを孕ませて

✳︎その雑種犬のハラワタを口腔から裂き、引き摺り出したネガを白日の下に晒す。剽窃した激情を冷凍した、灰もろとも、銀皿にブチ撒けたグレイビーソースの、一滴までも舐め尽くす。泣き女の歓喜。ナルキッソスの腐乱し尽くした溺死体。愛でたくも人工大理石…

腐敗と発酵のラグランジュ

✳︎俺の、善意は、すべて、くれてやる。俺の、悪意は、欠片も、俺だけの物。【序/南十字星のエチュード】地雷原にシャングリラ。避雷針はシャンデリア。再来年のジャンバラヤ。点Dが衝突するコイン・パーキング。点Sで明滅するコイルはホーキング。点Lを威嚇…

不能列車、北へ

✳︎0番線の列車は、逆行する。ワンマン運転で、発車する。三両編成を、鈍行する。通過する、曇天の公園は、異形のモニュメントで、溢れている。渇水のギロチンに、少年野球と、ザリガニ釣り。鳩でも鴉でも雀でもない、艶やかな、黄色い嘴。改良工事に咲く花は…

溺れる、竜

✳︎肺の内側から、私の胸を貫いて。電柱が、欲望のままに犯す。私を犯す。私は喘ぐ。嬌として泣く。下卑た笑みで、私の肋骨を破瓜したら。他人を、創造しよう。そうだ、此れは、私じゃない。此処で、電柱に組み敷かれ、喘ぐのは、私じゃない。他人を、創造し…