社畜な鯱狗の妄想雑記

吾唯足知、即身仏。南無、阿弥陀佛。

青春タンクデサント

小説『青春タンクデサント』全10話

他にも余談だったり、また、気分が乗ったら(笑)、 サイド、アナザー、パラレル(?)のエピソードを、 “bナンバリング”扱いにて、書くかもしれませんw 記事冒頭のカテゴリー“青春タンクデサント”にて、 引き続き、よろしくお願い申し上げますm(_ _)m

【青春タンクデサント】b2「静かに、そしたら、連れ出して(遠くへ)」

orcadawg.hatenablog.com ✳︎ 市内のターミナル駅の、片隅で。 待ち合わせの時間には、まだ三十分もあって。 恋する乙女じゃあるまいしと、睦美紅子は、心の中で、独りごちた。 --文化祭の二日目を、“サボタージュ”する。 馬鹿げた「提案」を、驚くほど、す…

【私訳】The Suicide Machines - The Killing Blow

✳︎(from 4th Album “Steal This Record”)https://m.youtube.com/watch?v=w-PSm7ckr_E“致命打”アンタがこの数年、何を考えてきたのかいつ、何を実行して、発言してきたのかオレは知らねーケドつまりオレは今、ココにいるワケなのさ絶好の機会を喪ってオレに言…

【私訳】The Suicide Machines - Sincerity

✳︎(from 3rd Album “The Suicide Machines”)https://m.youtube.com/watch?v=2zEcdOrnJwU“誠実さ”ある人々は、アンタに吹き込むだろうよ連中は、あらゆる道理を判っているってだから連中は捲し立てて、みんなが聞く耳触りはイイけれど、誠実さは行方不明アン…

【青春タンクデサント】もう一つの「元ネタ」の話(言い訳)

✳︎というワケで、ダラダラと(白目)。以前に書いた、下の記事にて。《「メメント森」って書くと、芸人さんみたいな件》http://orcadawg.hatenablog.com/entry/2017/05/29/204920“祝福”の「元ネタ」は、星新一『処刑』だと、「種明かし」など、させて頂いたワ…

【青春タンクデサント】完結に当たりまして謝辞

yoshitakaoka.hatenablog.com ae7chu.hatenablog.com ✳︎ 《想像は終わらない》高岡ヨシ様 《たまゆらのなかのとわ》ae様 リアルタイムでの御拝読のほど賜りまして、 誠に、ありがとうございました。 “物語”を、書き始めるのは、易しい。 “物語”を、書き上げ…

【青春タンクデサント】a10「さらば、愛しきタンクデサント!」

✳︎ そして“クリスマスの町”が、“年末の町”へと。 速やかに、正確に、塗り替えられる。 --“暦”など、所詮は「定義」でしかない。 この“セカイ”に「意味」なんて、無い。 僕らの“人生”に「意味」なんて、無い。 他者から与えられる「定義」。すなわち。 勝手…

【青春タンクデサント】a9「first date, last date」

✳︎ 月曜日。 学校の廊下で、睦美紅子とすれ違った。 会釈をする。愛想良く、会釈を返される。 もちろん、放課後の“招集”は、掛からない。 “タンクデサント部”は、“解散”したのだから。 十二月を、淡々と迎える。 “測量オジサン”の「予言の日」まで。 一ヶ月…

【青春タンクデサント】a8「ヒロイン、失格」

✳︎ 郊外に建つ、少し古びた一軒家。 呼び出された駅から、ほとんど無言のまま連れられて。無人の家に、通された。「ここは、夏に亡くなった、祖母の家でな」 カーテンの外された窓から、雑草の茂った庭が見える。「片付けやら何やらで……うん、まだ、電気は通…

【青春タンクデサント】a7「噂の“測量オジサン”、或いはカタストロフ」

✳︎ 見た目は、ホームレス。 台車を押していて、その上には、良く判らない機械が、ぎっしりと積まれている。 ブツブツと独り言を呟きながら、彼は「何か」を。 ひたすら「測量」し続けている--。「……新手の都市伝説か、何かですか?」 いよいよ冷え込み始め…

「メメント森」って書くと、芸人さんみたいな件

mistclast.hatenablog.com ✳︎ これだけ「リーダビリティ」に配慮される方が、 こういったテーマの記事を書かれると、何より、 スゴく「読み易い」ことに、感動を覚えますね! 4〜5名ほどの?拙稿の「奇特な読者」の方こそ、 結構「真剣」に、御一読をオスス…

【青春タンクデサント】a6「二学期半ばの、サボタージュ!」

✳︎ 「海を、見に行きたいと思う!」 「……今、このタイミングで?」 結局のところ。“タンクデサント部”として「夏休みの活動」は、ほぼ、無かったと言える。 そうして迎えた二学期も早々に、“部長”が宣言するのだから、僕が呆れるのも無理からぬ話であろう。 …

【私訳】Home Grown - You’re Not Alone

✳︎(from 3rd Album “Kings Of Pop”)https://m.youtube.com/watch?v=w_-lAtIXwuQサヨナラを一言、告げたならドアを閉めて、灯りを消してカケラは拾っといてよもし、要るならこのセカイは冷たい…それでも、覚えといてキミは、独りじゃない絶対に、キミは、独り…

【青春タンクデサント】a5/b1「stigma diary」

✳︎ 二学年が始まって早々の、春先のこと。 睦美紅子は、放課後。学校の裏手の、満開の桜の木の下に、呼び出されていた。「睦美さんのことが、好きです。付き合って下さい」「おおぅ……ド直球、ド真ん中の、告白か」 --薄々、予期はしていた。 好青年、とい…

【青春タンクデサント】a4「一学期の終わり、先輩への供物」

✳︎ 放課後、電車で三十分ほどを掛けて。睦美紅子と二人で訪れた町外れの、小高い丘に。 その霊園は、あった。「“蝉時雨”という言葉を考えた誰かは、なかなか、恐るべき『詩人』だな」 姫宮絵里の、四十九日と数日の、墓参り。 それが、本日の“タンクデサント…

【青春タンクデサント】a3「The Tuning」

✳︎ 大粒の雨が、絶え間無く、窓ガラスを叩く昼下がり。 僕はぼんやりと、ベッドに寝そべっていた。 姫宮絵里に借りた音源を、垂れ流す。イギリスの、良く知らないバンドのベスト盤。ゆったりとしたストリングスがワルツ調を刻む上に、気怠いボーカルが乗る。…

【青春タンクデサント】a2「葬式の帰り、理不尽なB級映画の話題」

✳︎ 姫宮絵里の葬儀は、町を挙げて執り行われた。“祝福”と言っても、市を挙げるほど「珍しいことでもない」。所詮は、行政の予算との兼ね合いだろうか。「姫宮さん、おめでとう!」「姫ちゃん、バイバイ!」 棺の中には、きっと。顎から上の吹き飛んだ、姫宮…

【青春タンクデサント】a1「祝福と、喪失と、出逢い」

✳︎ 一人称の小説というのは、よろしくない。 小説というのは、やはり三人称でなければ。一人称の小説は、究極的には、すべて「ジュブナイル」に括られてしまうのだから--。「……あの、犬飼君?」 昼休みの教室の片隅で。まったく流行る兆しの無い、書評サイ…