【青春タンクデサント】a1「祝福と、喪失と、出逢い」

✳︎ 一人称の小説というのは、よろしくない。 小説というのは、やはり三人称でなければ。一人称の小説は、究極的には、すべて「ジュブナイル」に括られてしまうのだから--。「……あの、犬飼君?」 昼休みの教室の片隅で。まったく流行る兆しの無い、書評サイトを更新していた僕に。おずおずと声を掛ける、奇特な女子がいた…