【18】4.10両国〜6.19大阪…計算し尽くされた「シナリオ」の大爆発!(約束された結末編)
✳︎
大阪…それは内藤にとって、特別な「因縁の地」です。
噛み合わなかったベビーフェイス志向、噛み合わなかったG1制覇により、全国的にブーイングを受けていた、かつての内藤。
その中でも大阪は、2012年に同地で自ら発した「俺が不甲斐無い姿だったら、大ブーイングしてくれ」の宣言を、良くも悪くもファンが忠実に受け止めたのか、どの地にも増して、半ば暴力的とも言える容赦無い大大大ブーイングが、内藤に対して浴びせられ続けてきた歴史がございました。
しかし今回。
2016.6.19…大阪ドミニオン。
全国的な「風向き」は、完全に「逆転」しておりました。
かつて内藤の目の前で大歓声を浴びていたオカダは、今や「しょっぱい作られた(元)チャンピオン」。
片やロス・インゴベルナブレスとして「羽化」した内藤は、その数々の「正論」がファンの心を掴み、今や「ピープルズ・チャンプ」とも言うべき、紛れも無い「主役」。
「主役は俺だ!」と叫ぶも空回り、ブーイングを浴びていた「しょっぱいベビー気取り」の内藤の姿は、もうどこにもありません。
そして満を持して放たれた「大阪の御客様だけは、掌返しをしないでくれ」という、180度逆転した、自信の表れの宣言。
…いかがでしょう。
自ずと「大団円」が「想像」されませんでしょうか?
すなわち、
「今度は介入無しで完全にオカダを退けた内藤が、因縁の大阪の地のメインイベントを、『デ・ハ・ポン!』の大唱和で締める」
完璧な「大団円」の構図が。
…しかし、結果は皆様も御存知の通り。
オカダのIWGP奪還、内藤政権は約2ヶ月という短期間での終焉。
実に「不完全燃焼」な結末でした。
何故、そうなったか。
鯱狗の妄想考察の御時間です。
何故なら、完璧な「大団円」を迎えてしまったら、「物語」が「終わってしまう」から。
そして「内藤は木谷オーナーに不当に低く扱われている」という「大前提」が「崩れてしまう」から。
綿密な「戦略」と「仕掛け」によって、遂に「スマートすぎるストンコ+ロック」という「主役」の座に就いて貰った内藤です。木谷オーナーとしては、まだまだ稼いで貰わなきゃいけない。
ここで「大団円」を迎えるのは「早過ぎる」のです。
そして「スマートすぎるストンコ+ロック」としての内藤の「原動力」は、すなわち「CHAOSオカダを贔屓する」「悪の独裁オーナー」たる木谷オーナーそのもの。
…オカダの「ターゲット・オーディエンス」が、純然たる「マーク」である「子供」や、「シュマーク」の「ライト層」を含むのに対して、内藤の「ターゲット・オーディエンス」はほぼ「スマート」、更に言えばある程度、継続して新日本を継続的に観戦している、いわゆる「プオタ」であるのは、御理解頂けるかと存じ上げます。
ということは、ここで内藤がオカダに敗れたことを、純粋な「実力差」と捉える内藤ファンは、極めて少ないでしょう。
木谷オーナーに「負けブックを飲まされた」と考えるのが自然ではないでしょうか。
ここが、明からさまに卑怯で理不尽な手を尽くして「分かり易く」オースチンやロックを苦しめた「本家WWEアティチュード路線」との違いであり、「新日版WWEアティチュード路線リメイク」を鯱狗が「スマートすぎる」と表現する所以です。
リングの上で「茶番」は見せない。
にもかかわらず、ファンは「内藤が木谷オーナーに不当に低く扱われている」という「確信」を得られる。
これが、「ギミックを嫌い、リアルを求める」、新日本の「ストロングスタイル」の伝統を受け継ぐファンの嗜好を正しくリサーチした、木谷オーナー率いる経営陣の導き出した「答え」とも言うべき「ストーリーライン」であると、鯱狗は妄想しております。
敗戦後のバックステージで、内藤が絞り出すように発した「この結末さえも、すべては俺の掌の上」という言葉。
…それさえも、そこに漂う「理不尽に抗う男の反骨と哀愁」さえも、すべてが木谷オーナーの掌の上だったとしたら。
答えはもちろん…
ハイ、やめておきますm(_ _)m
ただ、その「答え」は、経営会議で内藤のグッズ売上高の報告を満足げに受ける木谷オーナーだけが知っている…のかもしれません。
そして「作られたナチュラルヒール」たるオカダの奮闘は続くのだろうと鯱狗は妄想しており、そんな「サラリーマン・レスラー」のオカダを、鯱狗はクソスマートなりに応援し続けたいと思っています!