今更ながら17.1.4を振り返る(内藤編②)
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16.11.7
内藤は
「メイン試合選考のファン投票を望むなら、棚橋が切り出せ。自分は望まない」
と表明しました。
そして棚橋は、内藤の「正論」の前に白旗を上げ、ファン投票は実施されませんでした。
よって、17.1.4内藤vs棚橋のIC選手権は、ある意味で「順当」に、セミメインに決定しました。
…これ、「トンデモナイこと」だと、鯱狗は思うのです。
だって、その「結果」として。
メインはオカダvsケニーのIWGP選手権に、「自動的に」決まってしまうワケです。
…つまり。
内藤は、前年の「最大の抗争相手」であったオカダに、アッサリと「メインを譲った」ことにもなるワケです。
そして思い出されるのは、大阪でオカダのリマッチにより、IWGPを陥落した内藤が放った「捨て台詞」。
「この『結果』さえも、俺の『掌の上』」
…もし。
これが、ただの「負け惜しみ」ではなく。
内藤が密かに胸に秘めた「企み」の「ヒント」だったとしたら。「布石」だったとしたら。
それでは、鯱狗の妄想の御時間です。
かつて「IWGPよりも価値がある」ことを突き付けた棚橋さえも、辿り着かなかった「境地」。
すなわち。
「内藤哲也は、1.4のメインよりも価値がある」ことを「証明」しようとした。
そのために内藤は、棚橋を「踏み台」にして、オカダを「食おう」とした。
「唯一の存在」に、なろうとした。
…恐るべき「境地」。恐るべき「企み」です。
内藤を「主役」に据えた木谷オーナーでさえも、「そこまで」は「考えていなかった」のではないかと思われます。
つまりは、内藤が「新日本プロレス」に仕掛けた「シュート」。
そう考えれば、棚橋に勝利後の内藤が見せた、あざといまでにセンチメンタルな「演出」…棚橋の胸に拳を当てて、更に一礼まで…も、得心がいきます。
何故なら、それは内藤が、メインのオカダvsケニーを「食う」ために、「必要不可欠」な「要素」だったから。
そう…内藤vs棚橋に「有り」、オカダvsケニーに「無い」モノ。
すなわち、「歴史」です。
思えば、棚橋から内藤への「棚橋になれなかった男」発言は、実に「ナイスアシスト」でした。
おかげで内藤は、かつて「ロス・インゴベルナブレスではなかった時代」「中途半端なベビー志向と叩かれていた時代」まで、すんなりと「歴史」を掘り返すことができたのですから。
そして「ファン投票の断念」という形で、「1.4のメイン」に「最大の価値」を置いた「かつての王」を、早くも「前哨戦」にして「葬り去る」ことに成功した。
だから、内藤が1.4の「セミメイン」の時点で「見ていた」のは、既に「オカダだけ」だったと、鯱狗は妄想しているのです。
その「企み」のために、内藤は、vs棚橋戦で持てる「最大の武器」として、「歴史」をこれでもかと強調した。
最後に内藤が見せた「棚橋の胸に拳を当てて一礼」は…棚橋に向けたモノではなく。
「(表向きの)現在の王」であるオカダに向けた、「チェックメイト」の「宣告」だったのではないかと。
鯱狗は、そんな恐ろしい妄想を禁じ得ませんでした…。
そんな中で迎えた「メインイベント」。
IWGP選手権
ドーム史上最長となった、46分45秒の、死をも覚悟するような激闘。
…ただ。
その序盤から中盤に掛けて。
攻防が、どこかギクシャクしてはいなかったでしょうか?
鯱狗は、オカダは「パニック」に陥っていたのではないかと、邪推しております。
…そう。
オカダは、内藤に仕掛けられた「シュート」を理解していたから。
内藤が、このメインを「食おう」としたことを、理解してしまったから。
果たして、オカダが下した「結論」。
…すいません、また続きます。