武月睦『やおろちの巫女さん』は「プロレス漫画の大傑作」かと!
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鯱狗の、最近のイチオシ!
ヤンマガKCより既刊二巻!
【あらすじ】
物語の舞台は、
「怪物」が平然と町中をウロついて、
住民と世間話をしている現代日本(笑)。
怪物達の「目的」は、唯一つ!
千年前に奪われた「王の心臓」を奪還して。
「人間を滅ぼす」こと。
対するは、
現在の「ヤオロチの巫女」ユキ。女学生。
彼女が常に首から提げている「勾玉」に、
「怪物の王の心臓」が封印されています。
プロレスファン向けに説明するならば、
ソレが「チャンピオンベルト」です(笑)。
「ヤオロチの力」は、尋常じゃないです。
まぁ猪木の百万倍は強いです。最強ですw
だから、ブロック塀ぐらいは軽くブチ抜く剛腕の怪物達も、
「ハンデキャップマッチ」で、三人タッグチームです(苦笑)。
「リーダー格」の魏炎(ぎえん)。
「マイペース」の我負(がふ)。
「オッサンw」の愚知(ぐち)。
「ディーバ(?)」の一片(ひとひら)も、
のちにレギュラーで参戦してきます。
(ある「重要な役割」を果たしている)
歴代の巫女に千年間も挑み続けて、
一勝もできておりません(笑)…まぁ、
彼らが「一勝」でも遂げた時点で。
「人間は滅ぼされる」ワケですが。
ユキにフルボッコにされた怪物達は、
彼女が家の鍵を閉め忘れていないか、
見に行かされます。そんな世界の話。
【ココがイチオシ!】
①
シッカリとした描画。
②
テンポの良いギャグ。
怪物達は基本的に「マヌケ」です(苦笑)。
③
作り込まれた世界観。
「怪物」とは「ヤオロチ」とは「何か」。
読み進めるほど「深層」が見えてきます。
④
全体に「センチメンタル」ではあっても、
決して「泣かせに走らない」バランス感。
…千年を生きる怪物と、代替りする巫女。
当然、そこには「死生観の隔絶」があり。
でも安易に「悲劇には仕立てない」筆力。
⑤
コレは「プロレスファン」の方に向けて。
「シュートを司る敵意」と、
「ワークを司る信頼」を。
「絶妙に両立させた上」で、
「戦って決着の悲願」を。
余すところ無く「描いた」。
まさに「プロレス漫画の大傑作」だから!
特にホント、素晴らしかったのが、
二巻の第十一話「千年目の作戦」。
いかにも「敏腕マネージャー」ギミックの、
考庫(こっこ)を交えた上で、真面目(?)にも、
「人質アングル」をやろうと右往左往する、
怪物達の「あまりのトンチンカンぶり」に、
終始、ニヤニヤしっ放しだったワケですがw
最後に、怪物達の導き出した「結論」が。
いわば、まさしく「プロレスの本質」で。
ムネが、アツくなっちゃいましたよ!(爆)
…そして、ソレだけに留まらぬ「深さ」。
「怪物(≒レスラー)」であるのならば。
「100%シュートであるべきでは?」
「シュートな怪物達はどうなった?」
「予期せぬ事故によるシュートは?」
「寓話的な解」が、用意されている。
「仲良しこよし」では済まされない、
「打算」や「相互不理解」だったり、
いずれもキッチリ描かれております。
というワケで。
プロレスファンの方。そして。
「優しい世界」は好き。かと言って、
「生温い」のや「御涙頂戴」はイヤ。
そんな、鯱狗のようなワガママ派にもw
イチオシ!させて頂きます!
(ムダに柴田勝頼のフロウで)
ではでは♪