社畜な鯱狗の妄想雑記

吾唯足知、即身仏。南無、阿弥陀佛。

東京上空五万米

✳︎
「ツマラヌ映画というヤツは、だいたい」
「渋谷のスクランブル交差点の、雑踏で」
「神妙な顔をしているモノなのだよ(笑)」

ナルホド、金言を聞いたワケだと、
東京タワーの天井桟敷から、
石コロを、思い切り投げてみたトコロで、
当たるワケが無いのだ。
洗面所の鏡には、渋谷のスクランブル交差点の、
雑踏が映っている。
ハチ公は、ヌクヌクと、通行人からエサを貰って、
それなりに幸せであった、らしい。
それならば、御主人様は、
帰らなくて、正解であったのだろう。
洗面所の鏡には、渋谷のタワーレコードの、
黄色い看板が映っている。
赤信号にも、ボンヤリと、気付かぬまま。
そんなコトより、
東京スカイツリーに、キミは行くべきだ。
神谷バーで、電気ブランを煽るような真似は、
するべきではない。
洗面所の鏡に、思わず嘔吐してしまうから。
東京スカイツリーからは、光の矢が降り注いで、
柴又の帝釈天を殺す。ついでにボクを殺す。
思い切り投げた石コロは、東京上空五万米。
ハチ公の銅像の、冷めた視線の先を、漂ってる。
赤信号を無視して、パトカーを振り切って、
それでも、結局、何にも。
当たるワケが無いのだ。
洗面所の鏡には、渋谷のスクランブル交差点の、
神妙な顔が映っている。
電気ブランを煽って、吐き続けてる。
「ツマラヌ映画だねぇ(苦笑)」と、
呆れる価値さえも、無いほどに、
ツマラヌ映画だって、あるのだよ。ねぇ、キミ。
電気ブランを煽って、煽って、煽って、煽って。