社畜な鯱狗の妄想雑記

より良く、生きましょう!

流瓶、ヒロイン、量子的揺らぎ

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其れを「壺」と、名付けることは、
まったく、同時多発の殺人であるのだ。
私が、その「壺」で、後頭部から、
貴方を力任せに、殴り付けるかの如き。

《ビッグバンから熱的死まで》
その労働者の党が貼った、プロバガンダを、
尻目に。
「生とは」
裏路地で、春を鬻ぐ少女が、嘯く。
「死の、一瞬の、陰影でしかない」
恐るべき、機械的な正確さにより。
一欠片のヘロインを与えてやれば、
彼女は幸せであるか。
その左腕の聖痕に、無言で、訊ねる。

人は、私を。
《斬り裂き》と呼ぶよ。
コートのポケットに。砕けた、鋭利な、
陶片を。握り締める。

路地裏で、春を鬻ぐ少女が。
身籠ってしまって、いないか、どうか。
確かめる術は、他に無い。
そうだろ?
この街の時計塔は、つまりは、巨大な、
競争馬の厩舎でしか、ないのだから。