社畜な鯱狗の妄想雑記

吾唯足知、即身仏。南無、阿弥陀佛。

溺れる、竜

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肺の内側から、私の胸を貫いて。
電柱が、欲望のままに犯す。私を犯す。
私は喘ぐ。嬌として泣く。
下卑た笑みで、私の肋骨を破瓜したら。
他人を、創造しよう。
そうだ、此れは、私じゃない。
此処で、電柱に組み敷かれ、喘ぐのは、
私じゃない。
他人を、創造しよう。
だから、私の優しさは、
去勢された憎悪でしか、ないんだから。
此れは、私じゃない。此れは、他人。
コンドームに一杯の同情を、
電柱が。他人を殴って、飲ませる。
蠅。
這い蹲ってでも、病院に、
辿り着かなきゃいけないのは。

ひとえに、体面。

このまま、死んでしまった方が、
良いなんて。間違っても、口走っては、
ならないのは。
世間様に、体面が立たないから。それだけ。
今回は。入院しないで、済んだね。
良かったね、他人。吸入器に繋がれて。
私は痛くも、苦しくもないし。
他人が喘ぎ、悶え苦しむのが、
可笑しくて、仕方が無いんだ。
その十字路で、猫の礫死体を、
嬉々として食む。貪る。犯す。
私は、未だ、処女で。
産み落とした、救世の仔は。
血便に、塗れている。
蛆。
私の優しさは、去勢された憎悪。
無数の電柱。無数の電柱。無数の電柱。無数の電柱。