世界文壇構想の記
✳︎
もはや、此の世に。
模倣ではない、本当など、
遺されているのだろうか。
この、煉獄のやうな、恋さえも。
過去、或いは、未来のいずれか。
全ては、悉く、語り尽くされた。
あとは、銘を、消費するばかり。
銘を、ぐるぐる、ぐるぐる、と。
--世界は、文壇だ。
学ぶべきは、文学ではない。
文壇を、学ばねばなるまい。
世界を、分断する。
そんな野望は、潰えて久しく。
馬鹿馬鹿しくも、月とは、
綺麗でなければ、ならぬ。
私の、立派な鸚鵡の、
嘴を、御覧なさいな。
ねぇ?
眼球の表面を、
とろりとした銀糸が、流れる。