社畜な鯱狗の妄想雑記

吾唯足知、即身仏。南無、阿弥陀佛。

その空蝉を、愛づ。

✳︎

祭囃子が、遠く聞ゆ。

白無垢の、煌くは刹那。

翔び去るは、忘却の彼方。

然れども、証は不滅の故に。

滑かな、飴細工は金字塔なり。

やがて明ければ、騒擾の時雨も。

空蝉は凛として、静謐に睥睨せん。

凡そ白痴の餓鬼ども、僕には構うな。

この地の底で僕は、その皇女に仕えて。

ただ護り、果てたいと願って止まぬから。

入道雲が湧き上がり、洗い流してしまうサ。

其れは間も無く、膨れ上がるのも見えぬ世間。