社畜な鯱狗の妄想雑記

吾唯足知、即身仏。南無、阿弥陀佛。

塩湖にて

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白く朽ち果てる、その湖畔で。
真二つに折れた、無銘の剣に。

暫し、ただ、祈りを捧ぐ。

炎昼に、帽子を目深に正して。
リュートの弦を調律したなら。

どうか、惑わぬようにと。

インディゴの獣の、霊験も灼かな、
一振りのカイトで、宙を斬り伏す。

褪せた雲海を泳ぐ、無銘の鳥葬よ。

叫びを。