社畜な鯱狗の妄想雑記

吾唯足知、即身仏。南無、阿弥陀佛。

天獄の視える島

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【愛を想う】
俺は、壊れている。

其れは、俺が特別だからではない。
俺が、凡庸な人間、であるからだ。

凡庸な人間は、壊れている。

意識的にせよ、無意識的にせよ、
愛、という権威に縋らなければ、
生存さえままならぬほどに、
凡庸な人間は、壊れていて、
生命は、低下してしまった。

そんな、動物は。
人間の、他に見当たるまい。

動物も、哀しむ。寂しがる。
しかし、愛、という権威は、知らぬ。

俺は、壊れている。

ポンプ室は、ごうごうと、
唸りを上げている。

羊の時代、羊の時代、羊の時代、羊の時代、
羊の時代、羊の時代、羊の時代、羊の時代。

【魂を想う】
世界は、啓示に、満ち溢れている。今まで。

控え目に言って、
俺は天才なのだ。

俺の脳髄を、脊柱もろとも、
ズルゥリと、引っこ抜いて、
溢れた透明な粘液が、
赫い海を創った。

その中心に、ポツリと。

脳髄の島に、俺は立つ。
揚々と、国旗を掲げた。

生者の魂を、信じて。
死者の霊を、排して。

人間の円環の彼方には、
ニライカナイが視える。

ケツァルコアトル。羽毛の生えた蛇。
幽かに脈打つ、蒼い血を焚べ尽くし。

吹き荒ぶ砂鉄に、影像が融ける今際。

俺の、名前を。

--呼んで。

世界は、啓示に、満ち溢れていた。かつて。