社畜な鯱狗の妄想雑記

吾唯足知、即身仏。南無、阿弥陀佛。

archaïque smile chamber

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「どうか、私の思う人を、救ひたまへ」と。
弱々しく泣く、その小蜘蛛に、
「それでは、糸を垂らせば、よろしい」と。
告げる仏陀の、邪悪な笑みが、
俺のされこうべの盃を満たした、
優雅な血の池に、浮かび上がる。

the hell has a name,
“operant chamber for Лайка”.

そして天国へ行くため、俺はアッサリと、
この歩く屍の魂を、パブロフに売り渡す。
治の罠が、龍之介を血の池に突き落とす。

天国は、河童で、イッパイだ。
天国は、歯車で、イッパイだ。

「どうか、私の思う人を、救ひたまへ」と。
弱々しく泣く、その小蜘蛛を、
俺の革靴の底が、躊躇無く、踏み潰す。
貴女を乗せた、ロケットを、発射する。
仏陀の笑みを浮かべながら、
科学の勝利に祝杯を上げる。
こんな、されこうべの盃で。



こんな、莫迦げた。

オペラなら、チャンバーには。



あと一発の、魔弾が。