社畜な鯱狗の妄想雑記

吾唯足知、即身仏。南無、阿弥陀佛。

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そして、燃え落ちるのは、
月か?俺の瞼か?
意図せぬ、愛おしさを噛み殺し、
俺の毛皮が、逆立つのを感じる。
愛撫とは。グラスの中で、
稀釈された殴打。
だから、優雅に飲み干して、
鉤爪で握り潰す。
銀食器の、鋭利な恍惚。
その、千年の楼閣から睥睨すれば、
麦畑には、鬼火が走るばかり。
地の塩が満ち、痩せ細る神話。
そうだ。全ては、意図に依る。
俺の。さもなくば、神の。
足の踏み場も無い、グラスの破片。
銀食器には、嘲笑うサロメの首級。
やがて、時計塔へと。月が、
墜ち、刺さるだろう。
経血と呪詛を撒き散らして、
泣き、喚くのだろう。
そして俺は、稀釈を止める。
顎門から、水銀を垂れ流しながら、
俺の、俺の、俺の、牙が!
血が。蒼い、血が。
硫黄の焔に抱かれ。
そして、