社畜な鯱狗の妄想雑記

吾唯足知、即身仏。南無、阿弥陀佛。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

p.o.n.

✳︎機械的な機械。人間的な人間。ユートピアの待合室。ごった返している。処方箋を手にする。そのために、生きている。処方箋さえあれば、薬なんて要らない。もう永いこと、こうしている。清潔な白衣。消毒された恩寵。医師の不在。死ぬまでは、生きている。…

empress of emptiness

✳︎流砂の底に、沈みゆく免罪符を。僕らは、我先にと、奪い合う。腕を引き千切り、脚を引っこ抜き、頭蓋を叩き割り、臓腑を抉り合う。血と膿が、地と海を成す。偽書。原罪は、その聖餅を崇めて、食さぬこと。血と膿、濃密に立ち込める汗さえも、本当は。中空…

✳︎そして、燃え落ちるのは、月か?俺の瞼か?意図せぬ、愛おしさを噛み殺し、俺の毛皮が、逆立つのを感じる。愛撫とは。グラスの中で、稀釈された殴打。だから、優雅に飲み干して、鉤爪で握り潰す。銀食器の、鋭利な恍惚。その、千年の楼閣から睥睨すれば、…

しろがね号、西へ

✳︎嗚呼、銀の列車が、往くよ。往ってしまう。僕の肉体を、置き去りにして。無人の市街を、しろがね号が、往く。嗚呼、銀の列車が、征くよ。征ってしまう。僕の霊魂を、連れ去りにして。人波の荒野を、しろがね号が、征く。嗚呼、銀の列車が、逝くよ。逝って…