白石晃士監督が描く「現代のドン・キホーテ」達
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『オカルト』の「地獄だぞおじさん」。
そして、
『ノロイ』の「最強の霊能力者・堀光男」。
或いは、
『コワすぎ!』の「先生」。
もちろん、
「江野祥平サーガ」も、また。
…白石監督は。
「アウトサイダー」を、
まったく「美化」することさえなく、
「勇者/魔王」に転化せしめるのが。
絶妙に上手いw
特に、堀光男。
『ノロイ』単独でも迫真なのですが。
いわゆる「白石ユニバース」の「構造」が、
かなり明らかとなった今、改めて見返すと。
この人は、
なんて「巨大な深淵」を知りながら、
そして「己の無力さ」を知りながら、
それでも、
たった一人の女の子を「救い出す」ために、
立ち向かった、紛れも無い「勇者」であり。
そして…最後に。
「アルミホイル・アーマー」を脱ぎ捨て、
何の「文脈」も「聖別」も為されていない、
ただの、握り拳大の「石コロ」を握り締め、
現れた、その姿の…「悲愴」。
「死」よりも「恐ろしいモノ」を、
知りながら。
「そうするしかなかった」
ただ、カナのための「弔合戦」。
堀光男の「勇気」を思えばこそ、
先生の「邪悪」に「吐き気」を催すのです。
「江野クン」は、
「救ってくれた」のだろうか。
彷徨えるカナの「魂」を。
そして堀光男の「魂」を。
「壊れてしまったセカイ」を「やり直す」。
…その「片隅」で。