【13】オカダの「今」の本質は「作られた◯◯◯」である!
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稀代の「ナチュラルヒール」こと北尾。
前回、「ベビーでもヒールでもある」かのように表現しましたが、彼の場合、
「ベビーのはずが、あまりにナチュラルヒールすぎて、そのギミックが掻き消された」
というのが正確なところでしょう。
つまりは「大失敗」です。
それに対して、今から論じようとするオカダ。
本来は、まるで真逆の男です。
会社に対して忠誠を誓う「サラリーマン・レスラー」であり、「レインメーカー」という「ギミック」を名乗りながら純朴な好青年の素顔を隠し切れず、本来はヒールユニットであったはずのCHAOSは、今やネットでは「ただの呑み仲間」と生温かく見守られている始末です(笑)。
…そう。
オカダは、ナチュラルには「ナチュラルヒール」たり得ない男なのです。
だから、木谷オーナーは、慎重かつ綿密に作り込んでいった。一方では「ベビーのエース」としての株を暴落させないように配慮しつつ、裏では「ナチュラルヒール」としての側面をファンに印象付ける「演出」を施していく。
「上昇志向にギラギラと燃える、ハングリーな若きライオン」から、
「若くして会社のプッシュで頂点に立ち、慢心と傲慢に陥ったボンボン」へと。
慎重に、少しずつ「立ち位置をずらす」ようオカダに「演じさせる」。
「2億円プロジェクト」という「マクガフィン」を用意し、
批判する内藤に対して、「チャンピオンがチャンピオンだから心配無い」と挑発、そしてオカダとの癒着をアピールし、
オカダには「贔屓でもなんでもない、チャンピオンだから当然」と傲慢さを主張させ、
オカダは「作られたチャンピオン」だという、ファンの「反感」を積み上げていく。
その、作り込まれた「できるだけ演出を感じさせない演出」。
そして遂に、木谷オーナーの「計画」は「大成功」を収めた…のではないでしょうか。
パレハを介入させてまで、オカダからIWGPを奪取した内藤に対する、両国の観客からの「大歓声」。
…果たして、「本当に」木谷オーナーはビールをテレビに投げ付けたのでしょうか?
「計画」の「大成功」に「祝杯」を上げていたのではなく?
…すべては鯱狗の妄想です。
《オカダの「今」の本質は「作られたチャンピオン」ではなく、「作られたナチュラルヒール」である》
それが、鯱狗の妄想が導き出した「結論」でした。